ディスプレイ性能の見分け方を徹底解説!

電子黒板のディスプレイ性能は、授業や会議の質を大きく左右する重要な要素です。ここでは、電子黒板のディスプレイ性能を確認する際にチェックすべきポイントと、それぞれの数値の見方についても解説します。まずは、みなさんわかっているようで、イマイチ違いがよくわからない!というご意見が多い、液晶とLEDの違いから。

液晶ディスプレイとLEDディスプレイの違いを解説

液晶ディスプレイ(LCD)

液晶画面(LCD)は、電圧を利用して光の透過を制御することで映像を表示する仕組みです。主な構成要素は、液晶層、偏光フィルター、電極、バックライトです。液晶層は液体と固体の性質を持つ特殊な分子でできており、電圧を加えると分子の向きが変化します。この向きの変化が光の透過性を調整します。

まず、バックライトから発せられた光が最初の偏光フィルターを通り、直線偏光になります。この光が液晶層に入ると、電極で制御された液晶分子の配列によって光の向きが変化します。電圧が加わっていない場合、分子はねじれた状態で光を90度回転させ、次の偏光フィルターを通過します。電圧が加わると分子が整列し、光の回転が止まり、フィルターで遮断されます。

この原理をピクセル単位で制御することで、明暗や色(RGBフィルター使用)を表現し、映像を作り出します。薄型で消費電力が少ないため、テレビやスマートフォンなどに広く採用されています。

液晶ディスプレイの良いところ

  • 高解像度で、細かい文字や画像も鮮明に表示できるので、細かい資料や図表を多用する場合に適しています。
  • 応答速度が速く、動画の表示も滑らかです。
  • 消費電力が比較的低いです。

液晶ディスプレイのウィークポイント

  • 視野角が比較的狭く、見る角度によって色の見え方が変わることがあります。
  • 表面にガラス層があるため、光の反射により視聴しづらい場合があります。
  • 屋外のような明るさが安定しない環境での使用には適していません。

LEDディスプレイ

LEDディスプレイは、発光ダイオード(LED)を使って直接光を発し、映像を表示する仕組みです。主な構成要素は、LED素子(赤、緑、青の3色)、制御回路、基板です。LEDは電流が流れると発光する半導体で、各ピクセルに配置されたRGBのLEDを組み合わせることで、多様な色と明るさを表現します。

仕組みはシンプルで、電流を制御回路が各LEDに送り、点灯または消灯させます。電流の強さを調整することで明るさが変わり、RGBの組み合わせで色を再現します。例えば、赤と緑を同時に点灯させると黄色が表示されます。この制御を高速で行い、ピクセル単位で映像を作り出します。

液晶画面とは異なり、バックライトが不要で、LED自体が光源となるため、コントラストが高く、応答速度も速いです。また、省エネで耐久性にも優れています。そのため、大型看板やテレビ、スマートフォンの有機EL(OLED)ディスプレイなど、幅広い用途で利用されています。

LEDディスプレイの良いところ

  • 高輝度で、明るい場所や屋外でも視認性が高いです。
  • 視野角が広く、様々な角度から見ても色の変化が少ないです。
  • 耐久性が高く、長寿命です。
  • 表面にガラス層がないため、光の反射が少ないです。

LEDディスプレイのウィークポイント

  • 液晶画面に比べ消費電力が高くなる傾向があります。
  • LEDディスプレイは一般的に液晶ディスプレイよりも高価です。

ディスプレイのチェック項目

1. 解像度

  • 数値と見方:
    • 解像度は、ディスプレイに表示される画像の細かさを表す数値で、「1920×1080(フルHD)」や「3840×2160(4K)」のように表記されます。
    • 数値が大きいほど、より高精細な映像を表示できます。
    • 細かい文字や図表を多用する場合は、4K以上の解像度が推奨されます。
  • チェックポイント:
    • 使用するコンテンツの解像度に合わせて、適切な解像度のディスプレイを選びましょう。
    • 特に、細かい文字や図表を多用する場合は、高解像度のディスプレイがおすすめです。

2. 輝度

  • 数値と見方:
    • 輝度は、ディスプレイの明るさを表す数値で、「cd/㎡(カンデラ毎平方メートル)」という単位で表記されます。
    • 数値が大きいほど、明るい環境でも見やすい映像を表示できます。
    • 教室や会議室など、明るい場所で使用する場合は、500cd/㎡以上の輝度が推奨されます。
  • チェックポイント:
    • 教室や会議室の明るさに合わせて、適切な輝度のディスプレイを選びましょう。
    • 特に、窓際など、明るい場所で使用する場合は、高輝度のディスプレイがおすすめです。

3. コントラスト比

  • 数値と見方:
    • コントラスト比は、ディスプレイに表示される最も明るい部分と最も暗い部分の明るさの比率を表す数値で、「1000:1」や「5000:1」のように表記されます。
    • 数値が大きいほど、よりメリハリのある映像を表示できます。
    • 映像や画像を多用する場合は、高いコントラスト比のディスプレイが推奨されます。
  • チェックポイント:
    • 映像や画像を多用する場合は、高いコントラスト比のディスプレイを選びましょう。
    • 特に、映画やゲームなど、映像コンテンツを楽しむ場合は、高いコントラスト比がおすすめです。

4. 色域

  • 数値と見方:
    • 色域は、ディスプレイが表示できる色の範囲を表す数値で、「sRGBカバー率99%」や「DCI-P3カバー率95%」のように表記されます。
    • 数値が大きいほど、より多くの色を表示でき、より鮮やかな映像を表示できます。
    • 写真やデザインなど、色の再現性が重要なコンテンツを表示する場合は、広い色域のディスプレイが推奨されます。
  • チェックポイント:
    • 写真やデザインなど、色の再現性が重要なコンテンツを表示する場合は、広い色域のディスプレイを選びましょう。
    • 特に、印刷物や映像制作など、正確な色表現が求められる場合は、プロ向けのディスプレイがおすすめです。

5. 視野角

  • 数値と見方:
    • 視野角は、ディスプレイを斜めから見たときに、映像がどの程度見えるかを表す数値で、「水平178°、垂直178°」のように表記されます。
    • 数値が大きいほど、斜めから見ても色の変化が少なく、見やすい映像を表示できます。
    • 大人数で画面を見る場合は、広い視野角のディスプレイが推奨されます。
  • チェックポイント:
    • 大人数で画面を見る場合は、広い視野角のディスプレイを選びましょう。
    • 特に、教室や会議室など、様々な角度から画面を見る場合は、広い視野角がおすすめです。

6. 反射防止加工

  • 加工の種類と効果:
    • ノングレア加工:
      • ディスプレイ表面に微細な凹凸を施すことで、光を拡散させ、映り込みを低減します。
      • 外光の反射を抑え、画面を見やすくします。
    • 反射防止フィルム:
      • ディスプレイ表面に特殊なフィルムを貼り付けることで、光の反射を低減します。
      • 高い透過率を維持しながら、映り込みを効果的に抑制します。
    • 光沢抑制コーティング:
      • ディスプレイ表面に特殊なコーティングを施すことで、光の反射を抑制します。
      • 表面の光沢を抑え、外光の反射を軽減します。
  • チェックポイント:
    • 教室や会議室の照明環境に合わせて、適切な反射防止加工が施されたディスプレイを選びましょう。
    • 特に、窓際や照明の明るい場所で使用する場合は、反射防止効果の高いディスプレイがおすすめです。

その他

  • 上記以外にも、応答速度やリフレッシュレートなど、ディスプレイ性能に関する様々な数値があります。
  • 使用用途に合わせて、これらの数値も確認しておくと、より快適な電子黒板環境を構築できます。

これらのポイントを参考に、電子黒板のディスプレイ性能を比較検討し、最適な一台を選びましょう。